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金利の低下は低ボラティリティ株式に有利に

本稿では、2025年11月時点の市場コンセンサスによる金利見通しを踏まえ、年内に利下げが予想され、金利低下局面が続くと見込まれる中で、低ボラティリティ銘柄がどのようなパフォーマンスを示す可能性があるかを検証します。

執筆者

James C. Fallon
株式ポートフォリオ・ 
マネジャー

Molly O’Brien
クオンツ・リサーチ・ 
アソシエイト 

概要

  • 金利の低下、とりわけ連続利下げ下での金利の低下は、景気サイクル後期に典型として見られる事象です。そうした状況下では株式市場のディフェンシブな動きが強まる傾向があるため、低ボラティリティ株式に有利となります

資本市場は、これまでの量的緩和・低金利・低インフレ環境から、米国債利回りが20年ぶりの高水準をつける環境へと移行しています。今こそ、グローバル低ボラティリティ株式戦略が金利低下局面で発揮するパフォーマンスに期待する時かもしれません。市場では、米国のフェデラルファンド(FF)誘導目標金利は足元の4.0%からさらに低下すると予想されています。

1990年以降の金利の推移を調査し、市場の下落期(MSCI All Country World Indexの月次パフォーマンスが数カ月連続してマイナスとなった時期)を抽出し、金利低下局面との関連性を分析しました。図表1が示す通り、政策変更や米10年国債利回りの方向性と、市場のパフォーマンス低迷局面とは、概して連動しています。

また、図表2の通り、過去大半のサイクルにおいて、金利がピークをつけた後の数カ月は低ボラティリティ株式がアウトパフォームする傾向にあります。

最近の金利低下局面における低ボラティリティ株式の動き 

図表3は、MSCI ACWI構成銘柄のうちボラティリティ低位40%の銘柄群(「第1五分位+第2五分位」)とボラティリティ高位40%の銘柄群(「第4五分位+第5五分位」)の24カ月ローリングパフォーマンスを比較したものです。2004年以降、金利低下局面(灰色部分)においては低ボラティリティ株式が高ボラティリティ株式をアウトパフォームする傾向があることがわかります。

なぜ低ボラティリティ株式が金利低下局面でアウトパフォームしてきたのか

小売、自動車、住宅、素材などの景気敏感セクターは、金利がサイクルのピークに達し、経済成長が減速すると、パフォーマンスが弱まる傾向があります。過去の24カ月ローリングパフォーマンスを比較すると、景気感応度の高い企業は金利低下局面でアンダーパフォームする傾向が示唆されています。2008年から2009年、2012年から2013年、2015年から2016年、2019年から2020年にかけての期間がその例です。一方、2004年から2023年の間の金利上昇局面においては、景気敏感セクターがディフェンシブなセクターをアウトパフォームしました。

結論

今回の分析では、市場のコンセンサス金利予想を基に、低ボラティリティ株式が発揮しうるパフォーマンスについて検証しました。足元のコンセンサスでは、今後追加利下げが行われ、2026年は金利の低下が進むと予想されています。過去、こうした環境では低ボラティリティ株式が高ボラティリティ株式をアウトパフォームしてきたことから、今後、高ボラティリティ株式や景気循環株で構成されるポートフォリオに低ボラティリティ株式を取り入れることで、分散効果が促進されると考えられます。

 

 

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