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次期FRB議長にケビン・ウォーシュ氏指名

本稿では、次期米連邦準備制度理事会(FRB)議長にケビン・ウォーシュ氏が指名されたことについて、MFS マーケット・インサイト・チームの見解をご紹介します。

執筆者
MFS マーケット・インサイト・チーム


概要

01

次期米連邦準備制度理事会(FRB)議長にケビン・ウォーシュ氏が指名されました。5月に正式就任の予定です。

02

ウォーシュ氏はタカ派として知られていますが、政策金利については現実派です。

03

今後の市場金利への影響は概ね変化なしと予想されます。

04

新FRB議長の指名は世界の市場にとって大きなイベントではありますが、市場を動かす要因は他にも多々あり、特に長期的な視点を持つ投資家は他にも多くの要因を考慮する必要があります。

米国のトランプ大統領は、次期FRB議長に元FRB理事のケビン・ウォーシュ氏を指名しました。パウエル現議長の任期が満了する2026年5月に正式に就任する予定です。ウォーシュ氏は2006年から2011年までFRBの理事を務め、世界金融危機時には当時のバーナンキ議長とともにFRBの政策対応で重要な役割を果たしました。こうした豊富な経験からウォーシュ氏は次期議長としての信頼性が高いと見なされています。パウエル議長と同様、法科大学院を卒業しています 。

FRB改革に意欲的

ウォーシュ氏はFRBの抜本的な改革に強い意欲を示しており、この点がホワイトハウスから高く評価された可能性があります。ウォーシュ氏はここ数カ月、FRBがインフレ抑制に失敗し、信認を損ねているとしてFRBの体制を強く批判してきました。MFSが数カ月前に行われたウォーシュ氏の講演を聞いた際にも、同氏は現在の物価上昇についてFRBに責任があるとして批判しており、このメッセージがホワイトハウスの支持を得た可能性があります。ウォーシュ氏はFRBの責務を縮小すべきとの考えを持っており、この点もホワイトハウスの関心を引いたと考えられます。ウォーシュ氏はタカ派として知られており、この点はホワイトハウスの金融緩和志向とは一致しませんが、ウォーシュ氏のタカ派的なバイアスは主にFRBのバランスシートの規模や量的緩和に関するものであり、金利政策に対しては強いタカ派姿勢を示しているわけではありません。また、ウォーシュ氏が議長に就任すれば、FRBの独立性についての懸念は幾分か和らぐ見込みです。

市場への影響は短期的には概ね変わらず 

ウォーシュ氏は金利政策においては現実派であると我々はみています。2026年中に数回の追加利下げに動く可能性もあり得るものの、市場が現在織り込む水準、すなわち今後1年間で2回の利下げを超える積極的な金融緩和を主張する可能性は低いと考えられます。これは、短期金利に対してはややハト派的とも捉えられますが、将来的にウォーシュ氏がバランスシートの縮小を進めた場合には、最終的に長期金利に上昇圧力がかかる可能性もあります。一方で、ウォーシュ氏が指名されたことで、インフレ・リスクプレミアムの低下につながる可能性もあります。こうした要因を総合すると、ウォーシュ氏の指名が市場金利に及ぼす潜在的な影響は、強弱入り混じったものとなる可能性が高いと考えます。

今後の展望

次期FRB議長の指名は世界の市場にとって大きなイベントではありますが、市場を動かす要因は他にも多く存在し、特に長期的な視点を持つ投資家は、他にも多くの要因を考慮する必要があります。マクロ経済情勢が底堅いことから、クレジット市場ではスプレッドは引き続き堅調に推移すると見込んでいます。また株式市場においても、中期的な経済成長見通しや堅調な企業収益が、今後もリスク資産を力強く支える要因となると考えます。

 

 

当レポート内で提示された見解は、MFSディストリビューション・ユニット傘下のMFSストラテジー・アンド・インサイト・グループのものであり、MFSのポートフォリオ・マネジャーおよびリサーチ・アナリストの見解と異なる場合があります。これらの見解は予告なく変更されることがあります。また、これらの見解は情報提供のみを目的としたもので、投資助言、銘柄推奨、あるいはMFSの代理としての取引意思の表明と解釈されるべきではありません。予想は将来の成果を保証するものではありません。

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