Portfolio Perspectives | 2026年第2四半期
2026年05月
本稿では、今日の複雑な市場環境における実践的アセット・アロケーションの展望を四半期毎にご紹介します。
執筆者
Jonathan Hubbard, CFA
マネージング・ディレクター、
ストラテジー・アンド・インサイト・
グループ
Soumya Mantha, CFA
ストラテジスト、ストラテジー・
アンド・インサイト・グループ
概要
2026年第1四半期、世界の金融市場は中東情勢の緊張激化によって再び不意打ちを受け、原油価格高騰によるエネルギーショックが発生し、インフレ見通しは一段と複雑化しました。紛争が鎮静化したとしても、損壊したエネルギー・インフラの復旧には数年を要する可能性があり、中東地域の不安定性が長期化するリスクは高まっています。ボラティリティ上昇の一方で、グローバル株式は底堅く推移し、2025年後半に始まったローテーションも継続しました。米国以外の株式が米国株式をアウトパフォームし、バリュー株がグロース株を上回り、小型株が大型株をアウトパフォームしました。一方で、複数の超大型テクノロジー企業は圧力にさらされており、堅調な売上高および利益成長の一方で、AIインフラに対する巨額の資本支出が懸念要因となっています。債券市場では、エネルギー価格の上昇とインフレの粘着性を背景に、米連邦準備制度理事会(FRB)による追加利下げ観測が後退しました。「高金利が長期化する」環境が強まる中、デュレーション戦略の重要性が改めて浮き彫りとなっています。もっとも、クレジットの公開市場は引き続き底堅さを維持しています。一方で、プライベート市場では複数の注目度の高いデフォルトの発生を受けて懸念が高まり、特に個人投資家を中心に解約請求が増加しています。
本稿では、今日のアセット・アロケーションにおける喫緊の課題となっている以下のトピックを取り上げます。
- 米国企業の収益がリターンを押し上げる:株価リターンの要因を分解し、企業収益が長期パフォーマンスの主たる原動力である理由について考察します。
- 移行期にあるセクター-情報技術と金融:AI主導の設備投資がテクノロジー企業のビジネスモデルを再構築しつつあります。一方、規制環境の緩和の可能性は、金融セクターにおける資本の柔軟性やM&A活動の活発化を促す要因となる可能性があります。
- ポートフォリオのデュレーション・リスクに注意:利下げ期待が後退し、インフレリスクが持続する中、デュレーションが短く格付けの高い投資適格債が、魅力的な利回りを維持しつつボラティリティの抑制にどのように寄与し得るかについて考察します。
- プライベート・クレジットの台頭と課題:プライベートレンディング市場の一部で流動性圧力が顕在化する中、投資家への影響と、構造的なトレードオフを理解する重要性について検討します。
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