資本投資から確信を導く:革新と機会への投資
主なポイント
- AIは変革をもたらすテクノロジー:AI(人工知能)は、様々なセクターや企業、消費者に広く影響を及ぼす、革新的なテクノロジーです。
- フェーズは構築から導入へ:AIは開発のフェーズから導入のサイクルへと移行しつつあります。この局面では、新たな成長ダイナミクスと将来の機会に着目することが重要です。
- テクノロジー銘柄のバリュエーションがバブルである可能性は低い:AIは各種産業で実験段階から実装段階へと移行しており、その効果によってAIエコシステム全体で収入が大幅に加速しています。
- 見通しは楽観的ながらも警戒を要する:AIの成長性と潜在性は長期的に楽観視されているものの、急速な技術革新、市場ダイナミクス、潜在的なリスク(デットファイナンスなど)を注視し、グローバルなリサーチを活用して、常に最新の状況を把握しておくことが不可欠です。
新たなAIテクノロジー・プラットフォームへの移行が進む中、巨額の資本支出が投資環境を変貌させており、あらゆるセクターに影響を及ぼしています。本稿では、AI革命がグロース企業の今後にどのような影響を及ぼし得るのか、テクノロジー株のバリュエーションはバブルなのか、そして2026年に何が待ち受けているのかについて、株式ポートフォリオ・マネジャーのBrad Makが見解を述べます。
AIは変革をもたらすテクノロジー
AIは単なるテクノロジートレンドではありません。経済全体に影響を及ぼす根本的なプラットフォームの変化を意味します。既存の超大型企業が自社の利益を守り拡大しようと多額の投資を行っている一方で、AIに特化した新たな企業が台頭しつつあります。また、AIの波及効果はテクノロジー・セクターのみにとどまらず、エネルギーや資本財などの産業にも広がっています。例えば、データセンター需要の増大はエネルギーとインフラ分野の成長を加速させており、かつては低成長と見なされていたこれらセクターを変貌させています。
投資への実践:
エネルギーや資本財など、テクノロジー以外のセクターでAI設備投資の恩恵を受ける企業を幅広く精査し、成長機会を広げます。テクノロジー大手がサプライチェーンやインフラ、サービスなど広いすそ野に機会を創出するなかで、セクター横断的な視点から、持続的な収益源を持つレジリエンスのある投資機会を識別します。
フェーズは構築から導入へ
現在、ハイパースケーラーやサプライチェーン企業による巨額の設備投資を中心とした「構築」フェーズから、AIの導入と活用を主力とするフェーズへと移行しつつあります。構築のフェーズは今後2年から4年程度続くと見込まれますが、市場の関心は、AIの本格的な普及、例えばプレミアムサブスクリプションの導入やAI搭載アプリのコマース機能などの恩恵を受けうる企業へと移りつつあります。AIの導入はテクノロジー分野のみにとどまらず、ヘルスケアから資本財・サービスに亘る、あらゆるセクターの効率性の向上を可能にします。
投資への実践:
AIがインフラ構築段階から本格的な導入段階へと移行する中、新たなビジネスモデルや、AIを活用した生産性向上やコスト削減などの恩恵を受ける企業群を予測します。イノベーションを収益化できる企業を特定し、企業や消費者における導入率を追跡することで、持続的な成長が見込まれる企業を見極めます。
テクノロジー銘柄のバリュエーションがバブルである可能性は低い
テクノロジー株のバリュエーションは確かに高いものの、株価収益率(PER)は過去のテクノロジーサイクルや他の業種ほどには高くありません。重要なのは、この拡大するAI投資が、持続的な売上高や利益につながるかどうかです。答えはまだわかりませんが、AIエコシステム全体で売上が大幅に成長しているほか、ヘルスケア、法律、金融サービスなどの産業がAIの試験的利用段階から本格的な活用段階へと移行しており、効果を具現化し始めているなど、さらなる進展の兆しも確認されています。労働力不足や部材供給の逼迫といったボトルネックにより、AI設備投資サイクルは長期化する可能性があります。これは投資家にとっては将来の可視性が高まる一方で、需要の減速や支出に見合わない実現収入などのリスクは依然として残ります。
投資への実践:
デュレーションとレジリエンスに重点を置き、企業の明確で長期的な需要源、堅固なバランスシート、優れた経営陣に着目します。また、潜在的なボトルネックや過剰供給リスクを評価します。需要の減速や供給過剰などのシナリオ分析やプレモーテム分析を通じて様々な展開に備え、ポートフォリオの前提事項のストレステストを行い、堅牢なリスク管理を徹底します。
見通しは楽観的ながらも警戒を要する
AIおよびテクノロジー主導の成長見通しは楽観的ではあるものの、警戒も要します。大手テクノロジー企業間で資金を還流させる循環ファイナンスや複雑なデットストラクチャーの台頭に注意が必要です。足元の債務水準は過度ではないものの、運用チームはレバレッジ、需要、資金調達環境を綿密にモニタリングしています。MFSでは株式運用チームと債券運用チームが連携し、リスクと機会を包括的に把握する体制を取っています。
投資への実践:
資金調達形態の変化、特にテクノロジー・エコシステムにおけるベンダーファイナンスやデットファイナンスなどの動向を常に注視する必要があります。市場動向や潜在的な脆弱性を包括的に理解するためには、株式や債券といった資産クラスのみならず、セクター横断的なアナリスト間の連携を強化することが重要です。
結論
AIをけん引役とした成長が進展しています。その中で投資を成功させるには、変化を受け入れつつ厳密な分析に基づき、機会とリスクの両方をセクター横断的に注視する、規律ある長期的なアプローチが求められます。成長分野を広く模索し、構築から導入へのフェーズの移行を見越し、バリュエーションを意識しながら資金調達とリスクを警戒することで、耐性のあるポートフォリオを構築し、今後10年を見据えた投資機会を捉えることが可能であると考えます。
当レポートの中の意見はMFSの意見であり、予告なく変更されることがあります。また、これらの見解は、投資助言、銘柄推奨、あるいはMFS の代理としての取引意思の表明と解釈されるべきではありません。